ACL以降の不調に関して考えられる要因は、
1.主力選手の欠場(山田暢久、平川忠亮等、主力の欠場)
2.激戦を戦い抜いたことから来る疲労。
3.オジェックのサッカー。
4.ACL制覇とリーグタイトルリーチという状況が生んだ慢心。
以上の四つの要因が複雑に絡み合ってしまったように思う。 上記1に関しては、起きてしまった以上はどうにもならないことなので、一日も早い復帰を願うだけ。
2の疲労については、予てからオジェックが云っているように、 肉体的な疲労は、そんなに残るものではない。 なにしろ、彼等は一流のアスリートであり、年齢も若く、回復力も備えている。 加えてクラブには専属トレーナがいるのだから、万が一にも肉体的な疲労が取れないのであればトレーナーに問題があるということになる。 けれども、レッズに限らず多くのクラブのトレーナーには、優れた人材が多いので心配はいらないだろう。 それでは、精神的な疲労に関してはどうだろうか。 全ての鍵がACLにあると仮定した場合、アジアチャンピオンに輝いたことで、歴戦の精神的苦痛からは開放されたように思う。
だとしたら、消去法で考えるならば3と4に主な原因があることになる。
まずは、オジェックのサッカーについて。
オジェックから詳しい話を直接聞いたわけではないので、一般的な解釈とされている内容から考えてみよう。 前任者のギド・ブッフバルト監督と比較しても、戦術に明確な違いは少ない。 どちらも守備に重点を置きながらも攻撃のことを忘れていない。 例えるならば、ギドはセンターラインから10mくらいに重心を置き、オジェックはセンターラインから15mくらいに重心を置いたくらいの違いだと思う。 なので戦術的な部分に違いは無いに等しい。 ギドとオジェックの違いといえば、選手との距離。 ギドは積極的に選手と対話をした。 そこから自信の考えを理解してもらい、また、選手の意見にも耳を傾けた。 ところはオジェックは選手と一定の距離を保ったまま指揮をする。 二人の明らかな違いといえばその程度だろうか。 そして、もしもオジェックのコミュニケーション方法に問題があるのだとしたら、今頃優勝争いなど出来なかっただろう。 だから、オジェックの指導力に問題があるとも考えにくい。
そうすると、前述した4の『慢心』がチームの不振を招いている可能性が高いことになる。 けれども、ACLが終わった時点の選手たちの声を思い出すと、リーグ2連覇へ向け、まだまだ油断できないといったような声が非常に多かった。 なんとも頼もしい限りと感じたものだ。 だが、今になって考えてみれば、初めてアジアのチャンピオンという栄冠を勝ち得たにも関らず、そんなに冷淡でいられたものかと疑問が湧く。 もちろん彼等は、これまでのシーズンの中でリーグと天皇杯の2冠を達成した経験もある。 だから2冠を狙う選手の意識がどうあるべきなのかはわかっているのだろう。 しかしアジアのチャンピオンというのは、これまでのものとは訳が違う。 国内の戦いという井戸の中の栄冠ではなく、アジアという広大な地域で最も強いチームになったのだ。 その喜びもこれまでのものとは比較にならないだろう。 にもかかわらず、彼等はその余韻に浸る暇もなく、次の戦いへと進まなければならなかった。 加えて、二つ目の栄冠には片手が架かっていた。 それも圧倒的に優位な立場で。 もしかしたら、そのことが表面上の冷静さとは裏腹に、選手の心の奥底に慢心を芽生えさせたのかもしれない。
慢心からくる緩慢なプレー。
細かいパスミスが目立っているのは、注意が足りない証拠だろう。 気持ちが欠けている。 そして訪れるべくして訪れた愛媛戦の敗北。 無意識下に潜む慢心に効く薬はない。 頭で理解していても体がついてこない。
リーグ戦の足踏みによって最終節まで優勝の行くへは分からなくなった。 しかも悪いことに、最後の相手は早々とJ2行きを決めてしまった横浜FC。 愛媛に敗れていい薬になったと思ったところに、またしても慢心をくすぐる相手だ。 このままではまずい。 2005年シーズンを思い出して、あのときの気持ちを忘れないで欲しい。
リーグ戦とチャンピオンズリーグの二つを制するということ。 ヨーロッパのクラブシーンでもなかなか目にすることは出来ない。 レッズが狙っているのは、それほど至難を極めるもの。 どれほどの偉業なのかをもう一度再確認して、今季の最後を締めくくって欲しい。
最後に、正直なところを言わせてもらうと、今の段階でACLとリーグの2冠達成は時期尚早だと思う。 この先10年か、もっと先を見据えるならば、この辺でもう一度、振り返る時間があっても良いと思う。 失敗を繰り返すことで、チームはより強くなる。 落日を目の当たりにしたくないからこそ、今は急いではならない。
望みはしないが受け入れよう。 それが本当の意味でのビッグクラブへと続く道であるならば。
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