
世界大不況のスキを狙って、カカ、C・ロナウドと、ついにはリヨンのベンゼマまでもを獲得したレアル・マドリード。 いずれの選手もそれまでのクラブの顔とも言えるヒト達なので、そういう面々がひとつのクラブに集められてしまうのは、異常です。 これまでの常識では考えられなかったことが起きているのだから、やっぱり世界は大不況なのでしょう。
しかし、マドリーがこれだけの選手を集めたからといって、リーガを制覇したりビッグイヤーを獲得するのは簡単なことじゃありません。 ましてレアル・マドリーにバロンドールたちが集められたからといって、リーガが世界最強のリーグになるなんてのは微妙なところ。 今期はバルセロナが圧倒的な強さで三冠達成しましたが、それはバルセロナが強かっただけのこと。 これでマドリーがバルサと対等な強さになったとしても、リーガの2強体制が強化されるだけであり、リーが全体の底上げが期待できるのは数年先になるでしょう。
もっとも、これだけのスターを集めて世界最強にならないと言ってしまうのもアレなので、強いて言うならば、
世界最大の注目を集めるクラブ
とリーグが誕生する、と。
注目を集めるのと強いのとは、決して同じではないです。 強ければ注目されるのは当たり前のことですが、注目を集めるから必ずしも強い、ということはないです。 その辺はパフォーマンスで人気のでるタレントと一緒です。 そして、これだけの有名選手を集めたレアル・マドリードは、間違いなく
注目度は世界一。
私も、マドリーを応援する気にはなりませんが、正直なところ『観てみたい』ことに偽りはありません。 バロンドールのカカーとC・ロナウド、それにフランスの若き至宝カリム・ベンゼマまでいるのですから、観たくないわけがない。 もちろん、冷やかし半分とかではなく、能力の高い選手が集まって、どれほどの創造力が発揮されるのか?という点が一番気になります。
6/30日付けの読売新聞で、スペイン代表FWフェルナンド・トーレスのインタビューが載っていて、そこで彼が語っていましたが、
『作戦は試合のなかで大きな位置を占めない。』と。
そもそも、作戦とか戦術とかはあくまでも基本方針であり、実際のプレーでは常に臨機応変な対応をしなければなりません。 その臨機応変な対応をする為には、同じピッチに立った選手が状況に応じて同じプレーのイメージをつかめるかどうか? が最も重要になります。 意識の共通化です。 その瞬間に自分がどこへどう動くのが最適かを考えるのではなく感じる。 瞬間瞬間の状況を皮膚感覚的に感じて、動く。 そのためには同じイメージを掴まなければなりませんし、そのための下地がなければなりません。 そうして、同じピッチに立つチームメイト同士でイメージの共有化が実現できれば、おのずとチームのプレースピードは速くなり、攻撃だけでなく攻守の切り替えまでもをすばやく行なうことができるようになります。 これが強いチームの基本なのでしょう。 今のスペイン代表くらいの選手たちが集まると、これを難なくやれるのでしょう。 故に強い、と。
以前、世界のサッカーをプレースタイルで区別すると、南米は個人技主体でヨーロッパは組織力主体、と言われていましたが、ブラジルのように能力の高い選手が集まると、プレー中に意識せずとも同じイメージを掴めるわけで、そこには自然発生的に組織力が備わりますから、個人技だろうと組織力であろうとも、行き着くところは同じのような気がします。 そのためのキーワードが『共通認識力』
さて、話しを元に戻すと、元々能力の高い選手がたくさん居るところへ、能力に対してバロンドールというお墨付きをもらった選手が二人と、成長著しい若手選手が加わる09-10シーズンのレアル・マドリード。 フェリペ・スコラーリが言うように、カカーとC・ロナウドは上手くやれると思います。 そしてフェリペ・スコラーリはこうも言ってます。
「彼(ラウール)はベテランだが、ロッカールームのリーダーであることに変わりない。そして、それを望まない者、特に監督にとっては、苦悩の元となるだろう」
私も同感です。 かつてスペインの至宝とまで呼ばれたラウル・ゴンザレス。 彼を代表から除いたスペイン代表は、その後圧倒的な強さを誇ってEURO2008を制しました。 先だってのコンフェデレーションズカップでアメリカに敗れるまでは連続無敗記録を更新するほどの強さです。
フェルナンド・イエロの後を継いでレアル・マドリーの象徴になったラウルをどう扱うか? それが再び銀河系軍団と揶揄されるチームになった09-10シーズンのレアル・マドリーにとっての重要な鍵であることは間違いないでしょう。


